なんだかんだ言って、一次試験は筆記ですから机上の勉強でどうにでもなります。
むしろ難関と思われるのは、二次試験のほうです。というのも、こっちは実際に与えられた条件で配線を完成させなければならない(しかも結構時間短い!)のですから。
ところで、筆記と違って実技の方は実際に道具を揃えて練習しなければなりません。ところが一次試験の合格発表がWEB上でなされると、二次試験用の工具や練習用具などが一斉に購入され始めるため、場合によっては入手に手間や時間がかかるようになってしまうこともあるとか。
幸いにも僕は合格発表直後に注文してすぐに届きましたが、こういう事情も考慮すれば、やっぱり一次試験の時に合わせてこれらも全て揃えてしまった方が得策なのかもしれないですね。
ちなみに、二次試験用に購入したのは、次の二つ(テキスト除く)。
まずは、工具。
これはどれがいいのか分からなかったので、テキストで紹介されていた(テキストのやり方に準拠できる)工具セット+αで揃えました。
僕が購入したのは、ホーザンの「電気工事士技能試験セットS-19」と、ケーブルストリッパP-957(ホーザン)。
S-19があれば試験用の最低限の装備を手にできますが、実際にやってみると分かるように、ケーブルストリッパはあった方が絶対にいいです。これがあるだけで作業時間が大幅に短縮できます。
ホーザンのS-19以外にも、工具セットは複数のメーカーから販売されていますが、「技能試験すい~っと合格」で僕が実際に学習した限りにおいては、上記のセット(ホーザンのセットということですね)であれば、テキストに書かれている手順どおりに進めることができました。
例えばテキストには「ペンチ(呼び175mm)の厚みを利用して」芯線の切断を行いますが、「製品によって厚みが違います」と注意書きがされています。
こういう細かいところで手順が狂うと作業全体に影響し兼ねないので、僕はテキストで推奨されているセットにしました。
ちなみに上記セットはネット通販でお値段12,550円!
うーん、結構痛い・・・(^-^;;
工具があればとりあえず試験を受けることはできます。
でも、工具だけでは練習する事ができません。
第二種電気工事士試験の二次試験は、あらかじめ出題予定問題全13問が公開されているので、これを徹底的にやりこむことが合格への最短ルートであることは間違いありません。
通り一遍の練習では不安なので、できれば複数回練習できることが望ましいです。一回目はとりあえずテキストに説明されているとおりに配線を完成させる(工具の使い方を覚えたり、材料の取り回しを覚えたりする)、二回目は本番の試験と同様、複線図の作成から完成までを時間を計って練習する、可能なら総復習として3回目に全部をもう一度やり直す・・・くらいのことはしたいもの。
というわけで、材料(ケーブルとか電球のコネクタとか)を用意しなければなりません。
しかしこれも個別に一つずつ揃えるのでは大変!(だって何が必要になるか分からない)
でも大丈夫。ちゃんと電気工事士試験実技用に、全13問練習用の材料セットも販売されています。
全13問を1回練習できるセットから、3回練習できるセットまでありましたが、僕は上記の理由で3回セットを選択。
すでに使い古しているのでちょっとクシャッとなってますが・・・。
「全13問分の器具セット」が一つと、「全13問分の電線セット」が三つ。器具については使いまわしということですね。
これもネット通販を利用して、お値段23,000円なり!こ・・・これも高っ!
というわけで、テキストを除くと実技試験用にトータルで35,550円!
テキストのトータルは5,355円ですから、受験料を除いた総合計は40,905円!
結構しますねー。
ま、これは結局工具など手持ちのものが無いからです。でも、まったく一から初めて受験しようとする人は普通工具も電線も持っていないでしょうから、やっぱりこれくらいかかるんでしょうね(練習用の電線セットを1回分にすればもっと安く上がりますが)。
しかし、例えばユーキャンの第二種電気工事士試験は(WEBの写真を見る限りでは)テキストと1回分の電線セット+器具セットで63,000円。もちろん添削などもつきますが、それでも比べるとずいぶんと割高ですよね。
僕も最初どうしようか結構迷ったんですが、結果的にはテキストの選定も適切だったこともあって、独学でよかったと思っています。
そのテキストですが、もう本当に写真をみながらまずは組み上げてみるだけです。さすがに全13問全ての詳細な作成手順があるわけではありませんが、うち1問を徹底的に写真解説でその手順を紹介し、残りに関しては要所要所の解説と完成予想図が掲載されています。
残り12問は詳細な手順が無いので不安に思うかもしれませんが、その必要はありません。
基本的に使う工具も器具も材料もほとんど同じなので、1問の詳細手順で慣れてしまえば、後は結構スムースに作業ができます。
ちなみに試験時間は40分ということなので、一通り作業を試した後の2順目は試験と同様の条件にして時間を測ってやって見ました。すると、どの問題でも大体10分くらい時間が余りました。
慣れた環境でやってこれくらい時間が余れば、試験会場という特殊な場所で少しくらい緊張しても慌てること無く作業ができるというものです(少なくとも落ち着いて作業はできますよね)。
そして実際、試験会場で本番の試験を受けたときも、結果的にやっぱり10分くらい時間を残して配線を完成させることができましたから。
これも実技問題を(筆記と同様)徹底的にやりこんだから・・・と言いたい所なのですが、練習の3順目は時間的な問題などもあって結局行えませんでした(つまり手元に1回分の練習材料がまるまる残っている)。それだけ「やりこんだ」感が目減りしているわけですが、それにもかかわらず実試験でも時間に余裕があったというのは、教材の手順の勝利・・・なのでしょうねー。
・・・僕が手先が器用だから、とは絶対に言えませんね(笑)
だって僕はどちらかといえば不器用で、しかも複数のことを効率よくこなすことができないため愚直に一つずつ作業を完成させていくしかできないタイプですから。
そんな僕でも時間が余ったのは、たぶんテキストの手順がよく考えられているからなのでしょう。
実際のところ、表紙にはこう書かれていますから。
これ、多分誇大広告じゃないです。
僕はこのテキストで紹介されているやり方しか知らないので直接比較はできないのですが、僕が本番の試験で余らせた10分を、完成した配線の細かい修正(例えば指定された長さに可能な限り合わせる、とか、曲がっている電線をできるだけまっすぐにする、とか、合否判定に直接関係ない部分を手直ししていた)に充てている時に、周りではまだばたばたと配線作業を行っている人がたくさんいましたから。
試験官の「やめ」の号令の後にもこっそり作業をしようとして注意されている人もいたくらいです。
つまり周りの人は(もちろん僕のように微調整をしていた人もたくさんいたとは思いますが)、時間ギリギリまで使わないと完成にたどり着けなかったということ。
もちろんその人たちがどの教材を使っていたかは分かりませんが、少なくとも僕は時間を余らせて確認を何度も行うゆとりを持てた、ということは、このテキストのこの文言はあながち嘘ではない、と言えるわけです。
ところで、問題は確かに公開されているのですが、寸法などは試験本番まで分かりません。したがってテキストにも「【注】寸法および施工条件、支給材料は想定です。試験では実際の出題に合わせて作業してください。」とあるのですが、僕が使ったこのテキストでは、見てください。上記注意書きがあるにもかかわらず。
これ、右がテキストの想定問題、左が実際の試験問題です。
寸法、まったく一緒ですよね・・・恐るべし。
そしてこれが実際の試験で支給された材料リスト。
これが想定問題集では・・・。
取り付け枠の個数とか微妙に違いますが、ケーブルの長さは(完成品の寸法が同じなのだから当然かもしれませんが)まったく同じ!
いやはや、まったく驚きました。
この結果を見ても、テキストの選定は間違っていなかったなとつくづく思います。
さて、最後に試験会場で気になったことを記して終わりにしたいと思います。
僕は家で作業の練習をするとき、目の前に材料、左にテキスト(問題)、右に工具を配置していました。
試験会場で一人に割り当てられる作業スペースは決して広くないということは予備知識として持っていましたから、できるだけ場所をとらないように配置を考え、また座ったまま作業ができるように材料の配置なども一応考えて配置するようにしました。
ところが実際の試験会場を目にして、一瞬ビックリしたことが。
僕が受けた会場は長テーブルで、一つのテーブルに二人が並んで座る(もちろん間はそれなりにあいている)ようになっていたんです。
それの何が驚きかというと・・・。
問題は、長テーブルの両端に座る、ということ。
僕は幸い左側だったので受験票などは通路側、つまり自分の左側に置かなければならず、必然的に工具はスペースのある右側に配置することになりました。
この配置は基本的に家でやっていたのと同じになるのでまったく違和感なく作業が行えましたが、もし自分の席が右側だったとしたら・・・。
その場合、右側が通路側となり、受験票などはそちらに置かなければなりません。ということは、必然的に工具は自分の左側に置くことになり(そもそも右側には工具を置くようなスペースはありませんから)・・・。
もしそうなっていたら、きっとやりづらかっただろうと思います。
というのも、工具を右に配置してきたので、配線の取り回しなどを考えるときに、左側にケーブルがくるように作業してきたんです。
もし工具を左に配置しなければならなくなっていたら、取り回すケーブルと工具とがゴチャゴチャに重なり合って・・・なんていう事にもなりかねませんでした。
この「座る席」がどのようになっているかは実際試験会場に行ってみないとわからないので対策の立てようが無いのですが、それでもこういう事が起こりうる、こんなことで慣れた作業手順に狂いが生じるということはありうるのだということはしっておいてよろしいかと。
というわけで、以上二回に渡って(それぞれ大雑把にですが)第二種電気工事士試験についてレポートしてきました。
まだ合格が決まったわけではありませんが、限りなくそれに近いであろうという手応えは得ています。
電気関係の知識などほとんど皆無の僕が短期間で(実際、本腰入れて筆記対策を始めたのは試験まで2ヶ月を切ってからでしたし)こう言いきれるまでになったのは、やっぱりテキストの選定の正しさと、(筆記にしろ実技にしろ)相応にやりこんだということにあるのではないかと思っています。
もし来年以降、第二種電気工事士試験を受ける予定でいる方に、一助の情報となれば幸いだなぁ、と思いながら、僕の第二種電気工事士試験レポートは終了となります。
あ、第二種電気工事士の試験が終わったんだから、情報セキュリティスペシャリスト試験のレポート(途中で止まったままだ・・・orz)再開しなくちゃ!
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