前後ブレーキオーバーホール05:フロントキャリパー分解・清掃・組立

リアブレーキキャリパーはもう如何ともし難いので、それはそれとして脇に置いときましょう・・・。
では気を取り直して、フロントキャリパーを分解清掃することにします。

すでにトルクスボルトはほどほどに緩めてあるので、まずはこの4本のトルクスボルトをはずし、キャリパーを割ります。真ん中の2本はちょっと指が入りづらいのですが、それでもゴム手袋でくるくると回して取り出せます。

4本とれれば、パカッ!と綺麗に割れます(笑)
そしたら、やりやすいところから処理していきましょう。

最初は最も簡単に取り出せる、Oリングを外します。これは一つのキャリパーに対して前部と後部に1個ずつ、合計2個使われています。

ブレーキフルードが付着しているのでちょっとヌメッと滑りますが、溝にはまり込んでいるわけではなく、ただ穴にはめ込んであるだけなので簡単に指で取り出せます。
なお、Oリングはキャリパー組立時には新品に交換するように定められており、従ってあらかじめ純正部品を必要数取り寄せておきました。

では続いて、もっともそれっぽく見える作業、ピストンの取り外しを行います。

キャリパーピストン脱着ツールはこの時のために購入したのですから、ちょっとドキドキしつつも、ワクワクです。
キャリパーピストンの中に引っ掛け部分を入れて柄を握ると引っ掛け部分が広がってキャリパーピストンを(内側から外方向に向かって)抑えつける形になり、キャリパーピストンを保持したままウネウネとキャリパーピストンを抜き取ることができる、というのが基本構造です(開いて固定した状態を保持するためのロックネジも付いています)。
クリクリとキャリパーピストンを回しながら少しずつ上に引き上げていき・・・。

取れました!
けっこうスポッと抜けるんですね〜(笑)
ちなみにキャリパー片面にキャリパーピストンは2個。そのピストンは大きさ(直径)が少し異なります。
なるほど、だから異径キャリパーなのか!(ずっと「異形」だと思ってた 笑)

キャリパーピストンを取り出したら、その穴の溝にはまり込んでいるダストシールとピストンシールを取り出します(パーツリスト上では「シール、ジョイント」「シールセット、ピストン」と呼ばれているもの)。

しかしこれを取り出すのは結構骨が折れました。というのも、シールはそれ専用の溝にぴったりとはまり込んでいるからです。
噂ではこうしたシーリングパーツを取り外すための専用の工具があるらしいのですが(ピックツールとかいうらしい)、それは用意していません。
人によってはマイナスドライバーなどをピックツール代わりに使う猛者もいるそうですが、万が一キャリパーボディの内側に傷でもつけてしまったら目も当てられません(ってゆーか、使い物にならなくなってしまいます)。
そこで。

てれれれってれ〜♪ 「つ・ま・よ・う・じ・〜」

僕はつまようじをピックツールとして使うことにしました。
これならキャリパーボディを傷つける心配はありませんし、大量にあるので使い捨て感覚で使えますし。

両手につまようじを持ち、ちまちまとシールを持ち上げてはボディとシールの間にもう一方のつまようじを差し込んで隙間を確保し・・・。

こんな風に、シールを浮かせていきます。
シールは手前側に薄めのシール(ダストシール)が、そしてその少し奥にやや厚めのシール(ピストンシール)があります。

つまりピストン1つあたり2種類のシール。手前側に来るダストシールは比較的簡単に取り出せるのですが、奥にあるピストンシールが取り出しにくいのなんのって・・・。
しかも径の小さい方のシールは、作業穴が一回り小さいのでつまようじを突っ込んでの作業がますますしづらく・・・。

あー、やっとピストン一つ分が取れた〜・・・。これを後6回・・・あ、違った、キャリパーは左右だから14回行うのか・・・orz

狭い穴に細いつまようじを突っ込んで作業するだけでも大変ですが、シールにはブレーキフルードが付いているので、滑る滑る!
つまようじは比較的簡単にシールと溝の隙間に入り込むのですが、そこからシールを浮かせるのがとても大変でした(滑ってすぐに溝に戻ってしまう)。
左右両方のシールを取り除いた時には、肩も腰も目もパンパンでした(笑)

なお、シール類も全て組立時に新品に交換です。

で、がんばった甲斐あって。
無事に各種シールの類は取り除けました。ここに写っているのは、組立時に再利用するものだけです。
だって、分解が済んだらまずは清掃しなくちゃなりませんものね!

キャリパーボディやトルクスボルトは購入した大量のブレーキパーツクリーナーでガーッと磨きます。
使い古しの歯ブラシも大量動員して汚れを落としていきます。
まさか水洗いするわけにはいきませんので(ものすごく時間をかければ水洗いもありなのかもですが)、とにかくパーツクリーナーと歯ブラシで汚れを落としていきます。

他方でキャリパーピストンはというと、こちらは液体金属みがき、ピカールを使ってコシコシとこすって綺麗にします。
円周に沿ってコシコシコシコシみがき(円柱方向はだめ!)、綺麗にしていきます。

全く手付かずのキャリパーピストン(左)と、みがき途中のキャリパーピストン(右)。
並べるとかなり違う!
綺麗になっていく過程が目に見えてわかるので、この作業は楽しいかも!

そしてみがき終わり。
こんなもんでいいのでしょうか。それとも、純金のように光り輝くまで磨き込むものなのでしょうか?(ってゆーか、そんな色になるのかどうかわかりませんが)
さしあたり、指で触って引っ掛かりがない状態まで磨いておきました(組み付け時には脱脂します)。

清掃の終わったキャリパーピストンとトルクスボルト。特にキャリパーピストンは異径なので、間違えないように組み合わせておきます。

そしたらいよいよ組立作業、つまり今がちょうど折り返し地点ということですね!

これまた簡単なところから、Oリングを装着してしまいましょう。Oリンクは片側2個だけで、ほとんど乗せるだけといってもいいくらいです。

こんな感じで、はめ込むだけです。

そしたらキャリパーピストンをはめ込みます。

とにかく間違いが起こらないように、キャリパーピストンとシール類を径別にまとめておきます。
型番の最後が405が大きいキャリパーピストン用、同406が小さいキャリパーピストン用。一つの袋に一つのキャリパーピストン用のシールがセットになって入っています。

こんな具合です。ね、ぱっと見分からなくなりそうでしょう?

正しい組み合わせでセットしたら、シール類を所定の溝にはめ込むのですが、その前に。

ダストシール、ピストンシールは新品交換時にブレーキフルードを塗布するように指定されているので、いよいよ買ったばかりのブレーキフルードを開封します。
ブレーキフルードをシール類に満遍なく塗ったら、後ははめ込むだけ。
取り外しと違って、溝にはめ込むだけですからこれは簡単に行えます。

取り外した時の苦労が嘘のようにスパッと収まるシール類。
そしたら最後にキャリパーピストンを所定の場所に戻します。

キャリパーピストンの動きがものすごくスムースになったのかどうか、実は正直わからないのですが、キャリパーピストン脱着ツールを使って抉りながらキャリパーピストンを抜き出した時の動きに比べればなるほど確かに軽い!
スムースに、それも指だけでキャリパーピストンをはめ込むことができました。

そして左右のキャリパーにキャリパーピストンを収めたら・・・。

合体!
トルクスボルトはまだ借り止め状態です。キャリパー固定ボルトでキャリパーを固定してからでないと、高いトルクをかけてトルクスボルトを回すことができませんので。

これで(結局分解できなかった)リアキャリパーと(組立が完了した)フロントキャリパーが揃いましたので、今度はこれをRVFに取り付ける作業に入ります。
そして最後にブレーキフルードを注入して、一連の作業が完了となるわけです!

No06に続く

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