いま住んでいるマンションは僕が中古で購入したお部屋なのですが、購入した時から部屋にはエアコンが設置してありました。もちろん古いエアコンですが、それでも実用に差し支えもなかったので(そもそも僕はそんなにエアコンを使わない)たまに冷房を入れたりして使っていました。
しかし経年劣化には勝てません。なんと昨年の夏ごろからエアコン吹き出し口から冷たい風が出なくなってしまいました。
確認してみると、なんと室外機のファンが回らなくなっているではありませんか。
ネットで調べて見たところ、この症状は重傷の可能性が高く、修理すると結構な金額を取られる可能性が高いそうです。
もちろん単にファンの故障ということで安価に住む場合もあるらしいのですが、この手の修理って見にきてもらうだけでもお金がかかってしまいます。
多額のコストをかけて10年以上前のエアコンを使いつづけるくらいなら、今時の安いエアコンを購入したほうがTCOが安く済むのではないか?
で考えてみました。
エアコンを新しくするには
- ヨドバシでエアコンを購入
- 業者に既存のエアコンを取り外してもらう(5,000円くらい)
- 新しいエアコンを取り付けてもらう(11,000円くらい)
という段取りになります。
しかし取り外し、取り付けで15,000円近くかかってしまうのは正直ちょっと痛いところ。
バイクの整備だって車検だってこうした経済的な面を多分に反映させながらDIYでやってきたのですから、それならエアコンの取り外し・取り付けも自分でやってみるかと。
かりにも電気工事士の資格は持っているわけですし(別にエアコンの設置それ自体にこの資格は必要ありませんが)、ちょっと興味もありますし、ね。
ネットで調べた限りでは、さしあたって複雑な手順もないようですし、唯一問題になりそうな配管のフレア加工は既にフレア加工された配管が流通しているようなので。
というわけで、エアコン取り外し・取り付けのDIYをやってみることにしました。
で、今日無事に取り外しが完了したのでその手順をアップしておきます。いずれ実家のエアコンも更新しなければなりませんから、手順を残しておくのは意味のあることですし?(笑)
さて、その元々ついていたエアコンですが、ダイキンのAN28EBS-Wという機種。2004年製ですから、もう11年前の機種ということですね。家電は大体10年一区切りですから、頃合いといえば頃合いなのかも。
ちなみに室外機はAR28EDS。
で、今回エアコンを取り外すに当たって参考にさせていただいたのがこちら。こちらのサイトはなんとメーカー別(そして機種別)に取り外し方法が載っているんです。
そしてばっちり僕のこの機種も載っていたので、この手順にしたがって取り外し、スタートです。
もっとも、取り外す手順はどのメーカーでも基本的に共通で、機種別に紹介されているのは室内機を設置パネルから取り外す際の方法なんですけどね。
さて、まずは室外機にくっついているこのパイプ(冷媒が通るパイプ)の処理準備からです。
室外機に向かって右側面の、取っ手がついているカバーをあけましょう。ここはネジ止めされているだけですのでこのネジ(4ヶ所)を全てはずします。
はずしたらカバーを少し下に押し下げるようにするとカバーが外れます。
カバーが外れると中に強制冷却運転の仕方とかかれたシールがはってありますので、その手順にしたがって強制冷却運転を行います。
今は冬なので普通に冷房をかけても冷却運転できないからです(夏なら普通に冷房をガンガンにかければいいらしい)。強制冷却を行うのは、現在室内機・室外機に循環している冷媒を全て室外機側に押し出すためです。
室内機側に送り出すためのパイプの元栓を閉じてから強制的に冷媒を循環させることで無理やり室外機に冷媒を閉じ込める、というのが基本的な段取りのようです。
本体の「運転/停止」ボタンを5秒以上押すとピピッと音が鳴り・・・。
「運転」ランプと「タイマー」ランプが点灯します。これで強制冷却運転が開始される・・・はずなのですが・・・。
とりあえず強制冷却運転の仕方が分かったら、一度電源を落とします。
それではいよいよ配管をはずす準備をします。
まず室外機のバルブカバーナットをはずします(両方ともです)。実家のカブをいじるために購入したメガネレンチがこんなところで役に立つとは(笑)
今回、RVFの整備のために購入してきたKTCの工具や、電気工事士試験のために購入した工具がめちゃくちゃ役に立ちました。NICE!
手前側にある大きなナットを二つともはずします。
元はこんなに綺麗な色だったのか!(笑)
さて、そうするとどちらの穴にも六角レンチを差し込めるようになっていることが分かります。
冷媒を強制的に循環させるわけですが、その前に室外機→室内機の向きで流れるパイプのバルブを閉じます。向かって右側、細い配管側のバルブを六角レンチで閉じるのです。
ここに六角レンチを差し込みます。
差し込んだらこれを右回りにグリグリと回して行きます!右回り、つまり時計回りに回すのです(バルブを閉じるのですから当たり前ですね)。
閉じると六角レンチを差し込んだ場所が凹みます。二つの丸を見比べてください。向かって右の方が奥まっていますよね。これでバルブが閉じられたことになります。
この状況で、冷媒は室内機→室外機への一方通行で送り込まれることになります(逆方向はバルブが閉じられているから)。
バルブが閉じたことを確認したら、ここでいよいよ強制冷却運転を行います。時間はだいたい2~3分程度。
しばらくしてから今度は向かって左の太い配管のバルブを閉じます。こちらは受け側になりますが、こちらを閉じることで、理論上室外機に冷媒が閉じ込められたことになります。
両方のバルブがきちんと閉じられていることを再度確認したら、強制冷却運転を停止し、エアコンのコンセントを抜きます。
通電が確実に停止されていることが担保されるわけですね。
さてそうしたら。
室外機の配管をつなぎとめているナットを緩めます。緩めるのは送り側、つまり細い配管の方です。こちらのナットを緩めて、ガスが漏れない、もしくは1秒程度プシュ~~っと出てその後停止するなら冷媒は室外機にきちんと封入されていることになります。
しかしここで困ったことが。
そもそも僕のエアコンは冷房が使えなくなった(室外機のファンが回らなくなった)ために買い替えを決心したわけですが、実は強制冷却運転の時も、最初はファンが回っていたのにいつの間にか停止してしまっていたのです。
ファンが回らないと冷媒が循環しないそうなので、ここでナットを緩めて見たところ、継続的にガスが漏れでてしまいました。慌ててナットを締めなおし、やむなくもう一度手順を繰り返すことにしました。
しかしこの時点で一度外にでなければならない用事があったため、ナットをきつく占めて一度現場を離れ、続きは帰ってきてから行うことに。
帰宅後再度強制冷却運転からやり直しました。
結果的に今度はナットを緩めてもガスが漏れる音はしなかったのですが、これが果たして強制冷却運転がきちんと機能して冷媒が封入されたことによるものなのか、出掛けに閉めたナットから漏れ出ていて冷媒その物がなくなっていたために音がしなかったのかが判然としないのですが、後者だったらいやだなぁ・・・。
しかし確認のしようもありませんからここはきちんと封入できたということにして作業を進めます。
まずは細い配管のナットを完全に回しきり、配管をはずします。こちらは手持ちのスパナがちょうどいいサイズで入ったから良かったのですが・・・。
ところが太い方は手持ちのスパナではサイズが足りず。初めペンチではずそうと頑張ったのですがどうにもうまく回りません。結構なトルクで締め付けられているようです。
これはモンキーを買いにいかないとダメかな・・・と思い始めたとき、思い出しました。
電気工事士試験用の道具の中に、ウォーターポンププライヤがあったことを。あれなら回せるかも!?
というわけでチャレンジ。ものすごく大変でしたが、それでもなんとかはずすことに成功しました。
ナットをはずすことが出来たら、最初にはずしたバルブキャップは戻しておきましょう。
両方のナットが外れれば、あと室外機につながっているのは電源ケーブル(VVF)だけです。
所詮電線ですからペンチで切ってしまってもよかったのですが、手順としてはこの白い部分をマイナスドライバなどで押しながらケーブルを引っ張ると引き抜けます。
アースケーブルは別にはずす必要はありませんでした(笑)
さて、これで室外機は完全にフリーになります。
なお、うちの室外機には足がついていたので、足をはずしておきます。だって、もしかしたら新しいエアコンの室外機を載せることができるかもしれないじゃないですか(笑)
電動ドリルドライバって、ほんと便利。バッテリー式って、マジ便利。
足が外れました~。ベランダが汚いのはご愛嬌です。どのみち室外機をどかさなければ掃除なんかできませんから。
これで室外機は完了。後は室内機及び配管の処理です。配管は現在室内機にくっついた状態ですので、まずはこの配管を室内機からはずして室内機も独立させましょう。
まずはパテを綺麗に取り除きます。パテは柔らかいので、ドライバのようなものでこすって行くと、塊でボロッととれます。
こんな風に粘土のようにうにょ~っと取れます。残りかすも出来れば綺麗に取り除きましょう。
配管がある程度自由に動くようになりましたので、化粧テープや断熱カバーを切り裂いて行きます。
全部を剥く必要はありません。穴から出ている辺りで配管はぶった切ってしまうからです。
こんな風に断熱カバーをカッターなどで切り裂いていくと、銅の配管が顔を出します。作業しやすいように、ぶった切る周辺は綺麗に取り除きましょう。
はい、綺麗に剥けました~。
そうしたらこの全ての線を切ってしまいます。まずは銅の配管から。
実ははじめ、ネジザウルスで切断を試みたのですがちょっとサイズ的に厳しく、これまたニッパーとか買いにいかないとダメか?と諦めかけたところ、今再び閃きました。
電気工事士試験用の工具にペンチがあって、あれ、ケーブル切断できるようになってたじゃん、と。
で、そいつで力任せに切断します。細い方も、太い方も。
そしたら今度はドレンホースを切断しましょう!これは普通にカッターで簡単に切れます。
これで室内機と各種ケーブル(配管)を切り離すことができました。
この後室内機の取り外しにかかりますが、ドレンから水が漏れる場合があるので、ビニールを巻きつけておきます。
ま、ほとんど使っていなかった(だってここ数ヶ月はファンが回らなかったからエアコンのコンセントも抜いていましたし)ので水が出るとも思えませんが、念には念を入れないと。
ビニールを巻いたら飛び出ている配管を可能な限りまっすぐにします。これは室内機をはずしたときに穴からすっぽり抜けるようにです。
室内機側にもパテが敷き詰められているので、これを先ほどと々要領で取り除きます。今度は部屋の中なので、下にダンボールを敷いて養生します。
無事貫通!?向こうが見えるようになりました~。でも、ということは外と中が筒抜けになったというわけで、さ・・・寒いっ!!(笑)
僕はこの段階で、配管を中に引きずり込んでおきました。というのも、室内機をはずして配管ごと引っ張ったときに、途中で引っかかってしまったら目も当てられないからです。何といっても一人暮らしの一人作業ですから・・・。
うちの室内機、AN28EBS-Wは本体下部二ヶ所にフラップがあります。これをはずすと本体を固定しているネジが現れますので、この二ヶ所のネジをはずします。
そして本体を上に持ち上げるようにして行くと・・・本体がガバッとはずれます。
高いところで力が入り辛いので、電動ドリルドライバが大活躍!こんなの、手回しでやってたらきっと嫌になっていたことでしょう。
外れました。これを二ヶ所で行ったら、後は本体を持ち上げるようにしてはずすだけです。さすがにそれは写真撮れない・・・(^-^;;
そして無事に取り外せました~~。エアコンの裏側って、こんななのか~。
そして後には取り付け用のパネルだけが残りました。もちろんこれも撤去します。
5ヶ所ネジ止めされているので、全てドリルドライバで取り外します。全部取れればそのままパコッと外れます(密着させられていたからでしょう、ネジをはずしただけではパネルが落ちてくることはありませんでした)。
これで室内機、室外機、配管と全て取り外しが完了しました。
最後に筒抜けになってしまっている穴を塞いで・・・。
本当はエアコン穴用のふたがあるはずなのですが、見当たりませんでした。なのでガムテで養生・・・。外側も同じようにガムテで塞いであります。時期的に虫が侵入することは考えがたいのですが、気持ちの問題ですね。
そして取り外しが完了です。
ずっとそこにあったからでしょうか、かなーり汚れてますね。ま、またここにエアコンを設置することになるのでしょうから、そうしたら隠れる・・・かな?(もちろん後で掃除はしますよ!)
情報はネットに大量に載っているのであまり有用性があるかどうかはわかりませんが、一応素人にも取り外しができた、ということでその顛末でした。
来月くらいには取り付けの様子をアップできるといいけれど、取り付けは取り外しよりも気を遣うから、もしかしたらくじけて設置を頼んじゃうかも!?(笑)
でもとりあえずこれで撤去費用だけは浮かせることができましたね♪