少し前にチェーンが外れるという大変恥ずかしい理由でツーリングを諦めざるを得ませんでした。そして、救援待ちの間にふと考えたのです。
RVFが我が家に来てからもう30,000km以上走っているのにチェーンは張り替えたことがないな、と。
なら、この機会にRVFのチェーンを交換してしまおうと思い立ちました。
で、チェーンを交換するならついでにスプロケも交換することを思い立ち、どうせスプロケまで交換するならいっそのこと520コンバートしてしまおうと考えました。
525→520へのコンバートですが、バネ下重量が軽くなるので軽快さが向上が期待できるそうですし(もっとも、僕のウデでその違いがわかるとは思いませんが)。
で、実はポツポツと必要なものを買い揃えておいたのでした。
ドライブスプロケットはサンスターの『367-15』。
ドリブンスプロケットはXAMのクラシックシリーズから『A-4120-38T』。対応車種にRVFは入っていないのですが、’94NSR用とあるので多分これで問題なし。
チェーンはD.I.Dの『520VX3』。スプロケットの丁数は前後とも変えていないので、デフォルトの102リンクで注文しました。
そして最後にチェーンカット&リベットツール『かし丸君(KM500R)』。
必要なものが全て揃った状態になったところで、早速交換作業開始です。
先日組み付けたばかりのスプロケカバーをまたまた外し、ついでに作業しやすいようにマフラーも外しておきます。
ギアをローに入れてリアホイールが自由回転しないようにしたら、まずはドリブンスプロケットのナット(ボルトではない)を緩めます。緩めるだけです。外してはいけません。
ナットの数は全部で6か所。けっこう固着しているようで、緩めるのも一苦労です。
ついでドライブスプロケットのボルトを外すのですが、こちらは高トルクで締め付けられているため、ローギアにするだけではスプロケットが供回りしてしまいます。従ってリアブレーキをかけて供回りを防ぐのですが(だからドリブンスプロケットのナットは緩めるだけで外してはいけないのです)、ブレーキペダルにぶら下げられるような手頃な重しがなかったので、タイダウンベルトを使ってブレーキペダルを引き下げました。
なかなかいいアイディアだと思います(笑)
がっちりリアブレーキがかかったことを確認したら、渾身の力を込めてスプロケットボルトを外しましょう!当たり前ですがかなり固いです。
両スプロケットのボルト・ナットを緩めたら、いよいよチェーンカットに入ります。
チェーンを回転させて、作業しやすい位置にジョイント部分を持ってきます。そうしたらかし丸君を用意(専用の金属ケースの中でかし丸君がカタカタ動いてしまうので、エアパッキンでゆるく固定できるようにしてあります)。
さて、かし丸君を使うには27mmメガネレンチと19mmメガネレンチが必要です。幸いどちらも持っているから大丈夫だと思っていたら、手持ちのメガネレンチはなんと26mmでした・・・orz
慌ててホームセンターへ走り(島忠はKTCのツールを取り揃えている)、24-27のメガネレンチを購入してきました(19mmはバッチリ手持ちにあります!)。
メガネレンチが用意できたらかし丸君の取説(あるいは公式実践動画)にしたがって作業を進めるだけ(詳細は公式実践動画を確認してください。ページ最後に動画を埋め込んであります)。
かし丸君を用意したら、ジョイントのカシメピンにカットピンが垂直に当たるようにセットします(上の写真4枚目)。真っ直ぐに当たっていないとカットピンが折れてしまうこともあるそうなので、よーく確認します。
カットピンが真っ直ぐなことを(しつこいくらいに)確認したら、かし丸君本体に27mmを、ボルトに19mmをセットして時計回りにボルトを回して締め込んでいきます。一気に締め込まず、少しずつゆっくりゆっくり、じんわりと力を込めて締め込んでいきます。
するとボルトの反対側にカシメピンがカットピンに押されて飛び出てきます(上の写真3枚目)。そのままひたすらじっくりとボルトを締め込んでいくと、カシメピンがポロッととれます。
これでチェーンの切断は完了!
チェーンがカットされ、ダラーンと垂れ下がるので、引っ張ってチェーンを外します。想像していたよりも重いのでびっくり。
ところで僕はずっとチェーンカットという言葉から、刃物のようなもので物理的に切断するのだと思ってました(笑)
チェーンが外れたので、緩めておいたボルト・ナットを外して両スプロケットを外します。
ドライブ側はこんな感じ。
・・・きちゃない・・・。
ドリブン側はこう。
こちらもきたない・・・。まぁ、普段見えないところになっているのだから仕方がないと言えばその通りですよね。
なお、ドリブンスプロケットを外すにはメンテナンススタンドからRVFを下ろさなくてはなりません。そして同スプロケットをはめるときももちろんそうなので、
チェーン外す→ドライブスプロケット外す→ドリブンスプロケット外す→(メンテナンススタンド外す→)ドリブンスプロケット付ける→(メンテナンススタンドに載せる→)ドライブスプロケット付ける→チェーン付ける
の順で作業を進めるのが面倒がないと思います。
両スプロケット周辺の激しい汚れはパーツクリーナーやウェスでできるだけ綺麗にしておきます。滅多に開ける場所じゃないですからね〜(しかし途中でまさかのパーツクリーナー残量0!)。
綺麗になったら、先にドリブンスプロケットを取り付けます。2か所ほどナットを軽くはめてスプロケットが外れないようにしたら、RVFをメンテナンススタンドに載せ、それからゆっくり6か所全てのナットをはめていきます。なお、この段階ではまだ仮止め程度にしておきます。
スプロケットの表裏ですが、特に台紙等には指定はされていません(面によって少し形状が異なるので、表裏はあるのだと思います)。調べてもその指定の記載はありませんでしたので、「工業製品は刻印のある方が外側」という一般的な原則(らしい?)に従い、この向きで止めました。
ついでドライブスプロケットも仮止めします。
こちらは構造的にこの向きでしか取り付けられないので、多分これでOK。なるほど、確かに刻印が外側にきますね。
そしてチェーンです(以下の作業の前に、チェーンテンションを緩める方向にずらしておきます)。
箱を開けると中からお弁当のような包み紙に包まれたチェーンが出てきます。
真新しいチェーンをスプロケットの歯に噛ませるようにして仮通ししてみると・・・。
おぉ、ちゃんとラインが出ているっぽいじゃないですか。ということは、スプロケットの向きは間違いなかったようで一安心(チェーンを通す前にスプロケットだけで目視確認した時は、けっこうズレているように見えたので不安があった)。
前後スプロケットにチェーンを通したら、チェーンの両端に付属のグリスをたっぷりと塗り込み、ドリブンスプロケットの手頃な位置で巻きつけます(チェーンテンションを緩める方向にしておかないとこれができない!)。
そしてジョイントリンクとシール(いずれも付属している)にもたっぷりとグリスを塗ってチェーン両端の穴に通して止めます。
ここではまだジョイントリンクが単に刺さっているだけの状態です。
ジョイントリンクの外プレートとシールにも同様にグリスを塗ってジョイントリンクにセットし、いよいよ最初のカシメ作業に入ります。
外プレートが外れないように注意しながらチェーンを回し、作業しやすいところまでジョイントリンクを移動させます。通常はスイングアーム下側ですね。
移動させたら、かし丸君のカシメピンに圧入プレートをセット。かし丸君のボルトを手で締め込んでチェーンに仮止めします。
念の為チェーンの裏側からもかし丸君の位置を確認します。その方が安心できますから。
圧入プレートがしっかり外プレートに垂直に押し付けられたら、27mmと19mmを使って締め付けていくだけ。もちろん一気にガッと締め付けるのではなく、少しずつ少しずつゆっくりと、固い手応えになるまで締め込んでいきます。
初めての作業で不安もあったので、僕は都度かし丸君を外し、外プレートの位置が他のリンクと揃ったかどうかを確認しながら行いました。
そしてほぼツライチになったら、外プレートの圧入は完了です(ちょっとピントが合ってませんでしたが、一番下の写真)。
続いてカシメ作業の本丸、ピンのカシメに入ります!これが一番不安です!
カシメピンがピンに真っ直ぐ当たっていることを入念に確認したら、圧入プレートの時と同様、ゆっくりじっくりとレンチを回してかしめていきます。
都度かし丸君を外し、カシメピンだけをピンに当ててみてかしまったかどうかをチェック。それを数回繰り返して、(たぶん)完成!
ジョイント部分だけ動きが渋くなるようなこともなく、また周りのリベットと同程度の大きさまでかしまっているので、おそらくこれでOKだと思います。
そうしたら最後に両スプロケットのボルト・ナットを規定値で締め込み、チェーンを張って完成!
ところでサービスマニュアルにスプロケットのボルト・ナットの締め付けトルク規定値が書かれていないという情報がありましたが(ソース失念)、サービスマニュアルにちゃんとその値は記載されているのでご安心を。
このあとマフラーをさして、外装を装着したらいよいよ試走に・・・と考えていたのに、このトラブルが・・・(T_T)
新しくなったチェーンとスプロケットで軽快に走り出せるのは、一体いつになるのだろう・・・?
おまけ。
かし丸君でのチェーン脱着の公式動画を埋め込んでおきます。
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