「追求」して、「しずらい」の?

このところ、とある歌手のカップリング曲が、これまたとある歌手のチョー有名曲の歌詞とほとんど同じだったという芸能ニュース(それをニュースと呼ぶならば)がワイドショーを中心に、色々なところで取り上げられて活況を呈しています。

で、ご多分に漏れずネットの世界でもこのパクリ作詞家への反感、憎悪、嫌がらせ、などの素朴な感情(義憤っていうんですかね?)丸出しの中二病的コメントが反乱しているわけですが、そうしたことはあるITジャーナリストの方のご高説にも適切に指摘されているとおりなのであったりします(近いうちにリンクは切れてしまうと思いますが)。

さて、ここで僕が気になったのはこのネット状に溢れかえる粗野な感情を醸成する社会的な構造といった大それたものでもなんでもなく(そうしたことに興味が無いわけではありませんが)、そのITジャーナリストの方の文章にあった文字列です。

ジャーナリストを辞書で調べれば、「ジャーナリスト: Journalist)とは、新聞雑誌など、あらゆるメディア記事や素材を提供する人、または職業である。ジャーナリストという呼称自体が人物に対する社会的評価であるという見方もある」(出典:Wikipedia)そうですが、要するに「文字」や「文章」を職業にしている人ってことですよね?
少なくとも僕的にはそういう印象なのですが・・・。

で、この印象が正しいとして、という前提がついてしまうのですが、そうした「文章」を生業にしている人が、ネット上で公開する「テキスト」の中でであったとしても、次のような「文章」を書いてしまうのはいかがなものかと(下記引用部分はリンク先からコピペしたものです)。

「・・・現在のテレビは自主規制の中で、痛くも辛くも、感動もできない番組だらけになってしまっている。しかもネットから拾ってくるネタで構成ができる時代になってからは、さらに、「ささいな悪」「ささいなグレーな問題点」にまで、懇切丁寧に追求の手を仕向ける…。 」

それって、「追求」じゃなくて、「追及」なんじゃね?

「また、「ネットで話題!」という「話題」ほど、可視化しずらいものはない。」

これに至ってはもう言葉の意味を分かっていないとしか言いようが無いですよね。
「しずらい」んじゃなくて、「することがつらい」=「しづらい」わけですから。

もちろんこれを大々的に拡散させて、彼が言うところの「正義に溢れかえる社会」に一役買うこともできるのかもですが(僕にそんな影響力があるかどうかという問題は別にあります)、別にそんなことはどうでもよく。
そもそも間違いの指摘が「正義」に当たるのかどうかもはっきりしませんし(少なくとも僕がかつて研究してきた「正義論」からすれば、それは「正義」ではない)。

さて。
話を戻すと、前者に関してはたまたま校正からこぼれてしまったということも考えられます。しかし後者に関してはその可能性は低いでしょう。おそらく普段から「しずらい」という表記をしているのであろうことが推測されるわけですね。だってこれは「ついきゅう」という文字列の誤変換ではなく、入力それ自体が「しずらい」になっているわけですから。

物書きのプロフェッショナル(の一角)であるジャーナリストだから、FEP(あ、今はIMEか)の校正機能などは多分使わないのでしょうけれど、不特定多数の一目に触れる文章を書くならば、恥ずかしがらずに、また、変なプライドは持たずに、機能をONにしておいたほうがいいですよ・・・と教えてあげたい・・・。
←これは「正義」から来ている行為ではないと思うのですが、いかがでしょ?

なんて、実際のところは、わざわざ僕が指摘する理由も義理も無いので、仮にそれができたとしてもすることはありませんが、ここまで書いていてふと思いました。

あぁ、だから車の運転のプロとされる人達の乗る車にも、自動運転や衝突防止などのサポート機能を持たせることが必要なんじゃないか、と。
バスを運転するのはその道のプロフェッショナルなわけで(もちろん各人の経験値の違いというのは厳然とありますが)、そういう人達の操る車両にそんな余計な機能をつけても仕方が無いだろう、とか、もっと希釈させるならば、運転が得意な人にとって見れば、運転操作に余計に介入するかもしれない装置をつける必要は無いだろう、みたいに考えてました。
←車の運転はどちらかといえば得意なので(だと思う)、こんな余計な機能いらないじゃん、とずっと思ってました・・・。

でも、それって構造は僕が物書きと校正機能について書いたこの投稿と同じなんですよね。
というわけで、この投稿を書いて考えを改めました・・・(^_^;;

謙虚さって、美徳ですもんね(笑)

 

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