プチ☆復興支援の旅1 東京都→長野県

2011年3月12日
前日の3月11日に東日本大震災という未曾有の大災害があったため、ほとんど忘れ去られていますが、この日、長野県北部を強大な地震が襲いました。
長野県北部地震(信越地震)。最大震度6+。
この地震被害の中心となったのが、最後の秘境と称えられる「秋山郷」。この地震で唯一人的被害(震災関連死)が確認された集落です。

僕は同年2月末日を以って越後湯沢から東京に戻り再就職をしたのですが、東京に戻る前に最後に訪れた記念の旅の場所こそが、この秋山郷でした。
そんな縁があってから2年後。再び秋山郷を訪れることにしたのです。

ところで全くの私事ですが、実は昨年(2012年)情報セキュリティスペシャリスト試験に合格できました。その際、会社の同僚と訪れた福岡で太宰府天満宮を参拝、ガッツリと願掛けを行いました。もちろん十分に勉強だってしましたが、わずか2回の受験で(情報処理技術の試験は大抵春と秋の二回ある)合格できたのは、 きっと天満宮、すなわち菅原道真公のご助力あってのこと。
そして道真公といえば、その双璧は京都の北野天満宮ですよね。
実は今年も何らかの試験を受けようと思っているので、また学問成就の神社でお詣りを・・・と考えていたところ、なんと。
秋山郷のある長野県栄村にも「北野天満宮」があることが分かりました(分祀されているらしい)。さらにさらに、北野天満温泉なる温泉施設があることも判明!

というわけで、復興支援だけでなく、願掛けも合わせて行ってしまおうというちょっと欲張りなプチ☆復興支援の旅、早速スタートです!

出発の朝は早いもの。
パッキングは前日までに済ませておいたので、3:00AM起床で即出発が可能です。給油をしたら真っ直ぐ関越自動車道に入ります(所沢ICを使います)。関越道から秋山郷に向かうにはいくつか出口ICの候補がありますが、どこを使うかは道すがら考えることにします。
時間が早いこともあって高速道路は快調そのものだったのですが、まだ5月ということもあって夜明け前はやっぱり冷えます。
出発前に食パンを一枚食べただけだったのでお腹も空いてきました。そこで(おそらく関越道で一番大きいであろう)上里SAでブレイクタイム。

夜が明け始める前に上里SAに駐車し、熱源を補給!(笑)
完食する頃には日が上り、夜が明けました!
上里SAから本線に合流して神流川を越えればそこはもう群馬県!
・・・心なしか一層寒くなった気が・・・?

こう寒いと、立ち寄りポイントの北野天満温泉が待ち遠しくなりますが、出発時間と営業開始時間との兼ね合いから、最短ルートで向かうと開店まで結構待たされることになりそう。そこで一度苗場の小部屋にに立ち寄って時間調整しつつ暖を取ることにしました。

関越道を昭和ICで降りて国道17号線を進み、標高1,000mの三国トンネル到着時点で気温はなんと1℃!
マイナスじゃないだけマシか・・・(^ ^;;
そこから少し下った苗場スキー場付近は、残雪もちらほら・・・。

部屋に入ってすぐさまストーブに火を入れ、お湯を沸かします(もちろんコタツもON!)。ちなみに現在の時刻は6:15AM。北野天満温泉のオープンが10:30AM。ここから現地までの距離を考えても2時間もあれば辿り着けるでしょうから、まったりとコーヒーを飲みながら待てますね。
少し現地でうろつく時間を考慮しても、7:30AMごろの出発でよさそうです。

まったり休息したところで、そろそろ秋山郷に向かいますか!
出発時間になってもかなり冷え冷えですが、空いている国道17号線を順調に下り、麓の越後湯沢で給油。さらに進んで国道353号線を左折して十日町方面に向かいます。
有名な観光名所の関興寺を右にみながら十二峠というタイトなコーナーの続く峠道へ進入、今度は左に清津峡を眺めつつ疾走します。残雪があちこちに!(笑)

十二峠を抜けて平野部に出ると道はストレートになり、やがて国道117号線と交差します。この交差点を左折し、今度は津南町方面に向かいます。秋山郷とは新潟県津南町と長野県栄村を含む一体の集落を指すので(つまり行政区画としては2自治体が含まれることになる)、県境に向かって進むわけですね。

その前に、県境にある道の駅「信越さかえ」に、トイレ休憩で立ち寄っておきます。大切ですよね、トイレ休憩!(笑)

ちなみに、道の駅の裏手は千曲川(ここはもう長野県なので信濃川ではない)。しかし絶景ですね〜。新緑にはまだちょっと早いかな?
お手洗いを済ませて軽く休憩を取ったら出発します。

最もオーソドックスなルートである国道405号線経由ではなく、県道507号線から長野県栄村に入ります!
県道507号線を進むとあらわれるこの看板!いよいよ栄村に入るわけですね〜。
・・・ってゆーか、道の駅だって栄村なんですけどね(笑)
この辺りは新潟県と長野県が入り組んでいるので仕方ないですね〜。

この県道507号線から一本逸れると北野天満温泉があるのですが・・・。

無事到着です(^ ^)
まずはここにRVFを駐めさせてもらって、天神様にお詣りだっ!
と、その前に天神さままでの全体図を確認しておきましょう。

学問の橋や八角堂など、見どころがたくさんあるっぽいですね〜。
参道は学問の道、温泉は学問の湯か〜。少しは賢くなれるかしら?

では道すがらの風景を、どうぞ!

梅の花が綺麗ですね〜。
そして天神さまだから「牛」なんですね〜(笑)

振り返ると、深緑と白のコントラストが。

こうして積もった雪が溶けて山肌にしみこみ、それが長い年月をかけて再び地上に現れて、このせせらぎが生まれるのでしょうか。

この川をまたぐようにして先の「学問の橋」が架かっています。

橋を渡ってさらに参道を進むと・・・。

北野天満宮にたどり着きます。京都のそれとは比べるべくもありませんが、小さいながらも雰囲気のある神社でした。

こうやって境内を巡りながら撮影をしていると、一枚の張り紙が目につきました。
その張り紙によると、お守りやお札はこの近くの○○さん方で取り扱っているので、欲しい人はそこに連絡して下さい、みたいなことが書かれていました。その○○さんが宮司さんなのかしら?
少し逡巡したものの、最終的にお守りの購入は断念。だって、個人宅っぽいですし・・・(^ ^;;

ちなみに天満宮には賽銭箱がなかったので、事実上お詣りも断念。ただ撮影に訪れただけみたいな格好になってしまいました。
最後に学問の橋から振り返った天満宮を撮影して、神社を後にしました。

 そしたらいよいよツーリングの本丸(?)。
そう、温泉です。その名もズバリ、北野天満温泉です!

日帰り入浴は500円。宿泊施設もあるようです。

内風呂は横に細長いカンジで、縦幅は私が足を伸ばして湯船に座ると足先が向こう側に触れるくらいの幅でした。他に外湯もあり、開放的な気分でお湯に浸かることができました。

お風呂を上がって、時刻はちょうどお昼ごろ。せっかくですからこちらで食事も済ませてしまいます。

お蕎麦とおにぎりにしました(^ ^)
お腹が満たされたら、しばし休息です。あ〜、のんびりするな〜。

ほどよく休んだら、荷物をきれいに積んで県道507号線に戻ります。県道507号線を奥に進むと、先ほど訪れた北野天満宮の杉並木に続いていてびっくり(笑)
これなら先にお風呂を済ませてもよかったのかも?

その杉並木をさらに直進していけば、県道507号線は五宝木地区、屋敷地区を通って秋山郷(屋敷)に至る林道になっています。少なくとも、地図上では。
しかし・・・。

OUCH!!
ここに来てまさかの通行止め!
この林道は必ずしも生活道路ではないでしょうから、復旧が後回しにされているんだろうな・・・。しかし、あれから2年以上経っているのにまだ復旧できていないとは・・・。
というわけで、今来た道を戻り、国道117号線から国道405号線経由で秋山郷を目指すルートに変更します。一般的なルート、ということですね。

同国道から大赤沢地区を越えて小赤沢地区に入ると、そこから長野県栄村です。そしてこの小赤沢地区が秋山郷の入り口です。同地区に総合案内所の秋山郷総合センター「とねんぼ」があるので、RVFを駐車し、撮影スポットなどを調査することにしましょう!

さて、入手した観光案内パンフレットに拠れば、バイクで訪れることができて眺望が楽しめるのは、どうやら苗場山3合目付近のようです。まずはそこまでRVFで行ってみましょう。
一昨年、震災直前に訪れた時は真冬の真っ只中でそこまで辿り着けませんでしたからね〜(笑)

ちなみにこれがその前回の様子。4輪で無理だったのですから、RVFでも間違いなく無理ですね(笑)

のんびりと周りの景色を確かめながら苗場山を目指します。

登山者用の駐車場があるらしいのですが、この時期その駐車場を使うことはできないようです。というのも・・・。

この日2回目の通行止め!(笑)

なので道沿いに巡ってみることにします。
訪れた日の前日にも降雪があったらしく、真っ白で綺麗な雪が至る所に積もっています。空気がひんやり!

苗場の一合目に来ると、大滝という滝が間近に。
他になんの音もないため、滝の音だけが大きく響いています。迫力!

残念ながら滝壺脇まではいけませんでした。もっと暖かくなったら再チャレンジかな?

残雪の山道を一通り堪能したら、一度「とねんぼ」に戻ります。
RVFを止めさせてもらったら、すこしその周辺を散策することにしましょう。

遠景には真っ白な雪山、近景には田植えの時期を待つ棚田。

そんな不思議な光景をつなぐ、春の伊吹もちらほらと。

とねんぼの受付嬢にお話を伺ったところ、もうカタクリの季節なのに、今年はまだカタクリは雪の下に埋まっているんだそう。

こんなふうに、かつて鈴木牧之が歩いたとされる道の一部を含む集落を散策していたら、最後の最後に思いもしなかったモノと対面することに。

(とねんぼの受付嬢によると)野生のニホンカモシカ!
背中が剥けているように見えるのは、夏毛にはえかわるからだそう。かつては保護鳥獣の対象になっていたそうですが、今ではその数が増えすぎ、農作物を荒らす害獣となって駆除対象の動物になってしまったんだとか。
あまり人をおそれないらしく、結構直近まで寄らないと逃げないそうです。なので結構じっくり構えて撮影できました。

集落をくるっと回ってとねんぼ近くまで戻ってきたところ、そのすぐ裏手も神社であることがわかりました。苗場神社という神社です。苗場山は元々山岳信仰の対象、つまり霊山なのでした。
まだ登山シーズンではないためか、ひっそりとしていました。

こうして秋山郷(と言っても小赤沢地区だけですが)を探訪すること数時間。時刻は16:00をまわりました。

別に急ぐ旅ではないのですが(今夜は苗場の小部屋に一泊ですし、おおよその所要時間の見当もつく)、可能なら国道405号線を日のあるうちに走り抜けてしまいたいところ。
でも、まだ一つやり残したことが。それは、お土産の調達!
今回は秋山郷で食事も入浴もしていないのですから、せめてこれくらいは現地でお金を落とさないと!!

そこでとねんぼの受付嬢に相談したところ、少し先にある「萌木の里」という物産センター(?)か、あるいはその手前にある蛇淵の滝という所の木工センター(山源木工だったかな?)で購入できることを教えてもらいました。

そんなやりとりの中、一昨年訪れた時、とねんぼの隣家に人懐こいレトリバーがいて少し遊んだという話になりました。今日はそのレトリバーを見かけなかったのでこれも尋ねてみたところ、震災のすぐ後に亡くなってしまったそうです。

こちらがその時のレトリバー。謹んでご冥福をお祈りします。

受付嬢からは、そんなことまで覚えていてくれて、何度も(まだ二度目ですが)足を運んでくれてありがとうございますと御礼を言われてしまいました。

きっとまた来ると思います。越後湯沢からなら近いですし!

受付嬢に丁寧にお礼を伝えたら、とねんぼを後にします。
お土産を買って、日のあるうちに国道117号線に戻りたいので・・・(^-^;;

RVFにまたがって国道405号線を走り始めるとほどなく、教えてもらった木工センターらしき建物が見えてきました。結果的に、ここがその目的のお土産屋さんでした。
木工製品がたくさん並ぶ店内のその一角に、食べ物のお土産が並んでいます。

お土産候補としては「トチの実羊羹」か「トチの実せんべい」なのですが、後者には「秋山郷」の文字が入っているのに、前者にはそれがありません。でも、せっかく秋山郷にきて、そこのお土産屋さんで購入するのですから(つまり町中に下りてきてから購入するわけではないのですから)やっぱり 「秋山郷」という名称は欲しいモノ。
なのでお店の人に、秋山郷と名前の入った羊羹はないのですか?と尋ねたところ、今年はまだ秋山郷で取れた材料で作られ た羊羹がないんだそうです。もう少しすると材料が入ってくるのですが・・・とのことでした。
あぁ〜、それは残念・・・。

割れちゃうかもだけどお煎餅の方にするか・・・とモタモタしていたら、秋山郷というシールがあるからそれを貼るのはどうですか、と提案が。
あぁ、それなら秋山郷で買ったということをアピール(?)できるし、いいかも!(笑)

ということで会社用に購入した「トチの実羊羹」(3本入り×4袋)にそれを貼ってもらいました。
ついでに、実家用に買った蕗みそにも貼ってもらいました(笑)

全ての目的を無事に果たし終えた後はもう津南町を抜けて越後湯沢に戻るだけ。
そして幸いにも日のある内に越後湯沢に戻ることができました。
行き慣れたスーパーマーケットのNOGUCHIで夕飯や晩酌のおつまみ(アルコールは冷蔵庫に入っている)、明日の朝食などを買い、苗場の小部屋に戻ります。
パツンパツンに荷物を積み込まれたRVFで越後湯沢からの国道17号線を駆け上がり、トラブルなく無事に部屋にたどり着きました。

さぁ、今日1日を振り返りながら、ゆっくり一杯傾けるとしますか!

二日目に続く。

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