翌朝。
泊まっているのが温泉ですから、当然目覚めたらまずはひとっ風呂浴びに大浴場へ向かいます。
は〜、あったまる〜〜(^ ^)
お風呂上がりにお部屋でダラダラしていれば、朝ご飯の時間がやってきます。
旅館の「ザ・朝ご飯」という感じの朝ごはんをガッツリいただいて今日の分のエナジーをバッチリチャージ!
朝食を済ませたら、奥州平泉っぽいお土産をいくつか購入してパッキングします。
そして準備が整ったら、いざ出発!
チェックアウトを済ませて外に出ると、すっきりしない空模様。昨晩雨が降ったようですね。そのせいもあるのか、結構寒い!
なのでRVFのエンジンをかけて暖気運転・・・していたら、やがてエンジン回転数が落ちてエンジンストール。
セルを回してもキュルキュルするだけで火が飛びません。
この頃はまだバイクの知識が全くなかったため(今は少しはアル!)、ちょっと押しがけしてみたり揺すってみたりとまるで神頼みのような儀式をして様子見。
幸い再びエンジンがかかるようになったので一安心ですが、ちょっと不安材料ですね(思えばこの頃から、後々まで尾を引く電気関係の問題が始まっていたのかもしれません)。
再びエンジンがかかったので暖気をさせつつ、少し施設内を散策。りんごが真っ赤な実をつけていました。美味しそう!
お土産の分だけ横に膨らんだシートバッグを積み込んだらRVFに跨って薬師堂温泉から北上を開始します。ふとメーターに目をやると、初日だけで550kmも走ってきたようです。そりゃー疲労も溜まるか(笑)
薬師堂温泉を西に進むとすぐに東北道の水沢ICがあるのでそこから高速道路に入って北上します。今日の目的地は青森県の突端!たくさん走るぜ!
岩手県と青森県をほぼ縦断するという長距離弾丸走行なので、基本的にはどこにも立ち寄らずにひたすら走り続けます。本当は途中にある前沢SAで前沢牛の何かを食べたりもしたかったですが、ぐっと我慢!(笑)
かろうじて立ち寄ったのが、盛岡市も超えた先にある岩手山SA。それも、ここらへんがちょうど中間地点(よりも少し手前ですが)になるため、ここで燃料を補給する必要があったというそれだけの理由で・・・。
でもまぁせっかく立ち寄ったのですからほんの少しだけ見て回ることに。
岩手山が望めるそうなのですが、この曇天。残念ながらそのお姿を拝見することは叶いませんでした。まぁもともと給油のために立ち寄っただけでしたし・・・。
給油を済ませて再び本線車線に戻り北上再開。
曇天の下をひたすら走り続け、(途中で秋田県を少しだけ通過して)いよいよ青森県へ。
せっかく青森県に入ったので、そのことをバッチリ意識できる津軽SAで軽く休憩しておくことにしました。青森といえば津軽ですから。そして津軽といえば津軽富士。なんとこの津軽SAからはその津軽富士を一望できるのです。
・・・が、この曇天ならまぁそんなもんですよね(笑)
朝ご飯は薬師堂温泉でガッツリ食べてはきましたが、時刻は11:00AMになっていました。今日はお昼らしいお昼を取れるかどうか微妙な感じなんですよね〜(お昼にゆっくり名物をいただけるような立ち寄り地点がない)。なのでここらで軽く何かお腹に入れておいた方がよさそう。
というわけで。
せっかく青森に足を踏み入れたのですから、せめてそれっぽいものということで。
『津軽そば』をいただきました(笑)
北の大地をひたすら風を切って走ってきたのでキンキンに冷え切った体に、熱々のお蕎麦が染み渡ります!
さぁ、体も温まったところでもう一踏ん張り!
本線に戻ったら、青森ICまで進んでそこで東北道をいよいよ降ります。本当はここら辺でなにか名物ランチが食べられればよかったのですが、国道7号線を経由してすのまま国道280号線を陸奥湾に沿ってずっと北上します。国道280号線は今別町を抜けたあたりで国道339号線に変わりますが、引き続き国道を海沿いに直進し、やがて現れる龍泊ラインという側道を登って再び国道339号線に合流したその少し先。
そこが、今日の一番の名勝地。
ついでに言うと、この国道339号線それ自体も目的の一つだったりするのですが、それは後ほど紹介するとして。
まずは最初の名勝地、それがこちら。
竜飛崎(竜飛岬)です!
青森県の突端というと下北半島の大間崎をイメージしますが、そちらはかつて車で訪れたことがあったので、今回の旅では津軽半島の突端を目指すことにしたのでした。
竜飛崎にやってきた旅人を最初に出迎えてくれるのは、あの有名な歌の歌謡碑。ボタンを押すと曲が流れるアレだったので、周りに人がいないことを確認してボタンを押下!
まぁ旅の恥はかき捨てですから(笑)
ところで実はこれらの石碑がある場所は津軽半島の突端ではありません。ここからさらに海っぺりまで道は続いているのです。それも国道が。
ライダーたるもの、やっぱり本当の突端に行かなくてはいけませんよね。
竜飛崎から本当の突端までは今走ってきた国道339号線でつながっています。これを進んでいけば海っぺりにいけます。
そしてこの国道339号線こそが、先ほど触れたもう一つの目的地。そう、あの有名な・・・。
『階段国道』です!
階段の始まりにはちゃんと国道339号線の看板も立っています。この階段・・・じゃなかった、国道が下側を走っている国道339号線と結ばれ、一つの国道としてつながるわけですね(笑)
流石にRVFで階段国道を進むわけには行かないので(特に車両通行止めとかはなかったけれど)、案内板をチェックして駐車場の位置を確かめ、RVFはそこに止めて階段国道を制覇しに向かいます!
愛車よ、しばしの別れだ!
階段国道を降りる前に、岬の突端といえば必ずあるアレをみておきましょう。
それは・・・灯台!
その名も竜飛崎灯台です。
灯台からはもちろん海を一望!
さまざまな船が往来しています。はるか先に見える陸地は、(たぶん)北海道!この下を青函トンネルが走っているのか〜。
灯台からの大海原を満喫したらいよいよ初体験の階段国道へ!楽しみです!
さすが国道だけあって、ちゃんとセンターライン(?)も整備されています(笑)
一本道(というか、階段)ですが、途中にもここが階段国道であることを示す標識がきちんと立っています。
思っていたよりも通行人とすれ違いました。いわゆる名所ですから観光客なのかとも思うのですが、なかなかそうは断言できません。というのも。
階段国道は生活道路でもあるから!
国道というよりも路地裏という表現の方がしっくりきます。雪の季節は除雪されないって注意書きがありましたし、雪に埋もれて無くなってしまうのではないかと心配になってきます。まぁ海っぺりは基本的に雪が大量に降り積もることはない・・・はずなので、大丈夫なのでしょう。
そして無事階段国道を降り切りました〜。階段国道を降り切ると、ここがまさに龍飛の突端!
真の突端は岬から飛び出た帯島という出島のような島なのですが、漁港の船着場だけだったのでふらふらと観光客が立ち入るのもどうかと考えて島に渡るのはやめておきました(後に帯島は観光地であることを知ったわけですが)。
そのかわり、通り沿い(階段国道から続く国道339号線)を海を眺めながら散策します。
裏寂れた・・・なんて言ったら失礼かもしれませんが、けっして栄えているわけではない街並みを歩いていると、東京ではまず目にしない立て看板が!
あやしい「人」だけでなく、「船」も!?
そして密出入国者!?恐ろしい・・・。
といっても、密出入国者はおろか、町人に出会うことすらなかったんですけどね(笑)
こうして津軽海峡を一望しながら散策を終えたら、先ほど降りた階段国道を今度は登って戻ります。
・・・のぼる前からやる気を削がれます・・・(笑)
それでもヒイコラしつつなんとか登り切り、上側の国道339号線に戻ることができましたが、階段の上り下りで体力を使い、また無事に戻ってきたことでホッとしたこともあるのでしょう。お腹が空いてきました!
だって、津軽SAでお蕎麦を食べてそれっきりですからね〜。
目の前が津軽海峡ですから、きっと美味しい海の幸を出してくれるお店がたくさんあるに違いない!
強い海風に靡くススキの金色が大地の全てを覆い尽くす場所で、見つけた食事処・・・というか、階段国道のすぐ目の前なんですが、そこで随分と遅くなってしまいましたがランチにしましょう!
ちなみに時刻は15時過ぎ。そりゃお腹も空きますよね!
海鮮丼か、海鮮鍋か、とにかく海の幸をガッツリ食べてエナジーをチャージするぜ!
と意気込んで入ったのに、結局いただいたのはこれでした。
ホタテ入り岩のりラーメン。
・・・まぁ海鮮ですよね、これだって。しかしなぜわざわざラーメンにしたのかというと、ランチに入ったお店『お食事処 たっぴ』がラーメン屋さんだったから!
北風吹き荒む中にずっといたので体も冷えていましたから、まぁ結果的にこれでよかったのかもです。
さて、ラーメンで体も温まったところで出発です。今度は内陸部に伸びていく国道339号線(つまり上側ということですね)で山間部を走り抜け、ひとまず五所川原まで駆け抜けます!その先にある鯵ヶ沢が今日の宿泊地なので、宿泊前にもう1箇所だけ名所に立ち寄ろうという算段です。
時間が厳しい感じもしますが、頑張りましょう!
写真ですから必ずしも薄暮時の緊張感は伝わりませんが、それでも太陽はだいぶ海に近づいていますし、秋の日の釣瓶落としというようにここからきっと一気に太陽が沈んでいくでしょうから・・・。
日が暮れる前に街中に入りたい!あるいは、せめて山の中は抜け出したい!
時間に追われていながらも、道中にある絶景ポイント(多分『眺瞰台』という地点だと思います)に立ち寄って撮影します。津軽海峡よ、さらばだ。
さっきまで散策していた竜飛崎灯台や階段国道がもうはるか向こうに小さく見えるだけになってしまいました。楽しかった今日の名所巡りももうじき終わってしまうんだなぁ〜。
でも、まだまだ!
この後も名所に立ち寄るのだ!
十三湖の脇を通り抜け、津軽鉄道と併走するように国道339号線を南下していくとそこはもう五所川原市。その一角にある金木町に、最後の立ち寄り観光スポットがあるのです。
東北が生んだ文豪の一人、太宰治の記念館『斜陽館』です。
竜飛崎を出たのが16時近かったため、斜陽館にたどり着いた時には時刻はもう17時過ぎ。建物の名前にふさわしく、差し込む日の光も全く斜陽です。オレンジがかった、夕暮れ時特有の切ない雰囲気が斜陽館を彩ります。
さて、現在の時刻から見ても残念ながら中を見ていくだけの時間はありません。
バイクを止めて外で撮影していたら、中から受付のお嬢さんが出てきてくれましたが、ごめんなさい、もうすぐに今日の宿に向かわないとならないんです・・・。
しかしよく考えたら外の撮影だけでは拝観料を払うこともないわけで、現地でお金を落とせないなら全然復興支援になっていないんじゃないかと猛省。でも、時間がなぁ・・・。
そんなふうに後ろ髪を引かれる思いで斜陽館を出発したら、今日の宿泊地である鯵ヶ沢町へひた走ります。鯵ヶ沢町に予約したホテルは五所川原市を五能線に沿って進んだ先にあります。大まかに計測して30kmくらいですから、うまくいけば30分くらいで辿り着けるはず!
チェックイン予定を18時にしているので、とにかく今日のホテルへ向かいましょう。
国道339号線から国道101号線へ入って進み、鯵ヶ沢町役場を過ぎて程なく。
今日宿泊するホテルが見えてきます。今日お世話になるのは『ホテルグランメール山海荘』さん。
努力(?)の甲斐もあって、チェックイン予定の18時に間に合いました〜(笑)
竜飛崎から斜陽館までも1時間程度で着きましたし、ハラハラはしながらもなかなか順調に回れたのかも!?
と言っても、到着した時にはすでに真っ暗。
広い駐車場の一角にRVFを止めさせてもらったらチェックインをしてお部屋に向かいます。今回は(も?)奮発してじゃらんのハイクラスホテルを予約しましたから、お部屋も楽しみ!
わお、掛け軸もかかってる!
そしてこの分厚い座布団。どうやって座ればいいんだ??
昨日に引き続き、ちょっと昭和感漂う感じですよね。でもその方がむしろ落ち着く(笑)
お部屋に荷物を置いて、さぁ温泉でひとっ風呂・・・の前に。
実はこの日のプランは夕食のつかないプラン(それしかなかったのです)。なので晩御飯を買い出しに行かなければなりません。本当は併設されているレストランとかで済ませたかったのですが、(震災のせいなのか)宿泊した時は営業していないとのことで・・・。
幸い近くにスーパーやコンビニがあるので、身軽な格好で再びRVFにまたがりサクッと買い出し。
買い出しから戻ったらまずは温泉、温泉!
オーシャンビューの開けた露天風呂にどっぷりと浸かり、海こそ見えませんでしたが満点の星空を心ゆくまで独り占めしたら、お待ち兼ねの夕食・・・というか、晩酌タイム!
まぁビールくらいは奮発するとして(笑)
乾き物でサクッと飲みつつ、コンビニ弁当をつついてポップでライトな(?)夕食を終えます。ま、たまにはこういうのもアリですよね。ハイクラスのホテルであったとしても・・・。
疲れ切った体に温泉で血行が良くなったところへビールと満腹感ですからもういつでもお休みタイムに突入できるのですが、お部屋でうとうとしていたらロビーで津軽三味線の実演があるという案内が。
せっかくここまでやってきたのですからこれは見に行かなければもったいないというもの。そこで楽ちんな格好(つまり浴衣ですね)にD80をぶら下げて、一路ロビーへ。
結構有名な演奏者の方だそうです。テレビなんかにも出演しているとかなんとか。
なんにしても津軽三味線を生で聞くのは初めて。思っていたよりずっと迫力のある音で、びっくりしました。
撮影技術が未熟な上にすでに酔っ払ってフワフワ。さらに室内の薄暗い光量でシャッタースピードも稼げないため微妙な写真が多くなってしまいました。明るいレンズが必要!?・・・いや、まずはウデだよな〜。凹むぜ・・・。
指名してお客さんを参加させたりしてなかなかの盛り上がり。
指名されてるのが全て女性であり、大半が若い方であるのは同じ男性として不問にすべきでしょう(笑)
こうして大盛況のうちに演奏会も終了し解散となりました。
千鳥足でお部屋に戻ったら、すぐにお布団に潜って夢の中へ。楽しい旅も今日で折り返しか〜・・・。