不動産の所有権移転をやってみた

このBLOGでもちょこちょこ出てくる、越後湯沢の小さな部屋。具体的には苗場のリゾートマンションですが、現時点でその所有者は私の親になっています。
で、この所有権を僕に移すことにしました。本来であれば相続まで待つ方がいいのですが、それができない(それをすべきでない)事情もいろいろとあるので、今のうちに所有権を移転することにしたのです。

ところで不動産登記に関する業務は一般的には司法書士に依頼することになりますが、これ、お願いすると結構な金額を取られるんですよね。
なので移転登記に関する手続きは、勉強も兼ねて自分でやってみることに。

まずは移転の方法を検討します。
所有権の移転には二つの方法があり、一つは「贈与」。もう一つは「譲渡」、いわゆる売買。
どちらも手続き的にはさほど変わらないのですが、贈与を受ければ当然その後に贈与税がかかってきますし、売買なら適正な価格設定をしなければなりません(売買金額が不適正だと後で税務署から指摘が入り、面倒なことになるらしい)。
何れにしても移転した後に何らかの形で税金を納めることになりますが、どちらの方法がお得(金銭的にも手続き的にも)なのかは初心者にはその判断が難しすぎます。
だから、前に税理士の無料相談に行ってきたのです(笑)
そして相談してみたところ、現在の当該物件の価値評価を考えれば、どちらの方法を取っても税金関係でかかるトータルはさほど変わらない(2〜3万円の違いが出るかもしれないが、それは依頼する税理士によって生じる差額でもありうる)とのこと。
というわけで、今回は実際的に相手方との間で金銭のやりとりが発生しない「贈与」で手続きを取ってみることにしました。

ちなみに相談した税理士によると、企業税理に関しては税理士であれば誰でもできるけれども、不動産に関する税金についてはそれを専門にしている税理士に依頼したほうがいいそうです。ほとんどの税理士はこちらの手続きに不慣れらしく(専門に扱ってきちんと処理できるのは税理士100人あたり1〜2人くらいだろう、とのこと)、そうした人に依頼すると結局後から修正が必要になったりなんだりと大変な目にあうことも(修正が入ると国税庁とのやりとりになるので1日2日は当たり前にまるまる潰れてしまうそうです)。

もちろん税金がらみの手続きもDIYで行うことは不可能ではありませんが、そうしたリスクや不動産に関連する税金の特殊性を考えると、それはオススメできないということでしたし、ここは素直に相談した税理士に依頼する予定にしています。

贈与税の申告期間(期限?)は年が明けてからなので、その頃にまた改めて税理士さんに依頼するとして(税理士さんもそれでいいと言っていた)、まずはとにかく不動産の所有権移転登記です。
と言っても、不動産の所有権移転の手続きは、必要な書類を取り揃えて法務局に提出するだけです。

贈与による不動産所有権移転登記申請に必要な書類は次の通り。

  • 登記申請書
  • 登記原因証明情報
  • 委任状(委任で行う場合のみ)
  • 贈与契約書(自分用+相手用の二つ)
  • 登記済権利証
  • 印鑑登録証明書(相手方のもののみ)
  • 住民票(自分のもののみ)
  • 評価額通知書

うち、の付いている書類に関しては法務局からオンラインでフォーマットを入手可能です(無料)。支局でも登記相談に行けば記入例がプリントアウトされた説明書をもらえます(無料)。
僕は支局で説明書をもらい、それを見ながらオンラインで入手したフォーマットに修正を施した上で自宅でプリントアウトしました(WORD形式、一太郎形式、PDFの三種類がダウンロードできます)。

なお、不動産の贈与契約書には収入印紙を添付しなければならないそうです。贈与額に応じた額面の印紙を貼らなければならないそうですが、契約書に額面の記載をしない場合は200円の収入印紙を貼り付け、割り印を押印すればOKだそう。契約書は2通必要ですから、収入印紙には400円かかります。

ちなみにこの段階ではまだ登記申請書にある「課税価格」欄と「登録免許税」欄は空白です。ここは後で評価額通知書を受け取り、法務局の管轄支局に提出する際に記入する額面を教えてもらって記入するからです(計算の仕方がよくわからないのでその方が確実ですからね)。
評価額通知書を持参して相談すれば、支局の相談コーナーで計算してくれて、記入する額をちゃんと教えてくれるので(というか、くれたので)、わからなければ空欄のままにしておいて大丈夫だと思います。
なお、ここでの評価額とは固定資産税を納付するために送られてくる用紙に記載されている額面とは異なるので注意が必要です。

権利書を相手方から預かり、相手方の印鑑証明を取得(出張所にて登録カードで申請すると300円)、さらに自分の住民票も取得しておきます(こちらも登録カードを使い、自動交付機で200円)。

所有権移転登記の対象物件の所在地の役所に行き、移転登記に必要であることを伝えて土地と建物の評価額通知書を発行してもらいます。

この評価額通知書は、詳細情報が記載されていないものと記載されているものの二種類があるそう。不動産の所有権移転登記に必要であることを窓口で伝えると、額面だけわかればいいので無料の方で問題ないと教わりました。
なので評価額通知書の手数料は無料!

これで申請に必要な書類は全て揃ったので、建物の所在地を管轄する法務局(もしくは支局)へ行って手続きを行うだけです。

法務局支局の相談コーナーで、登記申請書の「課税価格」と「登録免許税」の金額がわかりませんと言って先ほどの評価額通知書を見せれば、向こうで計算して記入する額面を教えてくれます(くれました)。
その金額を書き込んだら、登録免許税分の収入印紙を添付して提出するように言われるので、収入印紙を購入し(提出窓口のそばで必ず売ってます)、添付したら提出です。

ちなみに僕は登録免許税というのは後から請求されるものだと思ってました(笑)
実際には提出時にその額面の収入印紙を購入しなければなりませんので(クレジットカード不可)注意が必要です。
たまたまその金額をその場で用意できたから良かったものの、そうでなかったらまた出直しになっていた可能性も。
評価額、登録免許税などの計算が全てオンラインで(確定的なものでないとしても)試算できるようになっていればいいのになぁとつくづく思いました。

提出したら、移転登記が完了する見込みの日にちを教えてもらえるので、受け取り方法を決めて受け取るだけです。
僕は今回来訪しての直接受け取りにしたので、見込みの日にち以降で受け取りに行きました(何か不備があれば改めて連絡が来て修正などをすることになるそうですが、僕は特に問題がなかったようです)。

登記完了証を2通(自分用と相手用)を受け取り、無事に移転登記が完了したことを確認して、手続きは終了です。

登記完了証と一緒に登記識別情報通知も受け取ります。
ミシン目になっているところをぺりぺり剥がすと、そこに登記識別情報(記号番号と二次元バーコード)があり、それが登記識別情報になるようですね。
ちなみにこの二次元バーコードはスマホで読み込ませても、それで登記情報が閲覧できたりする仕組みではありませんでした(笑)

というわけで、実際に自分で所有権移転登記を行ってみて、申請にかかった直接的な金額は

収入印紙(契約書用) 400円
住民票 200円
印鑑登録証明書 300円
収入印紙(登録免許税) 31,100円
合計 32,000円

となりました。
司法書士に依頼すればこれにさらに数万円を上乗せですから、特に込み入った事情がないのであればやっぱりDIYで頑張るのがオススメなのかもです。
もちろんリスクは自分で負わなければならないとしても、ね!(笑)

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