祝・古稀:親孝行旅行〜清津峡、上高地、木曽 02

上信越道に入る前に立ち寄ったコンビニ(飯山のローソン)では、空模様はこんな感じでした。

お天気は間違いなく回復傾向!これなら上高地の天候も、十分に期待できそう!(^ ^)v
さぁ、ここからは上信越道→長野道で一気に上高地に向かいます!(寄り道しなければならないのは前回報告済みですが 笑)

松本ICで高速道路を降りたあとは国道158号線をひた走ります。飛騨高山方面に向かう時はひたすらこの道をまっすぐ(もちろん峠道なのでワインディングではありますが)進むだけでしたが、今日の目的地は上高地。
なので途中(中の湯)から県道24号線に入っていくことになります。

そして県道24号線の果てでたどり着いたのが・・・。

こちら!
そう、上高地帝国ホテルですっ!!!
帝国ホテルといえば、奈良ホテルと並ぶ最高級ホテルと言っても過言ではありません。
一方の雄である奈良ホテルは実は過去にわずか数回ですが訪れたことがあるのに対し、こちら上高地帝国ホテルへは宿泊で訪れたことがなく、宿泊以外で訪れたのも僕が物心つくはるか前。
そしてここが、母が常々来たがっていたところだったのです。
なのでお祝いが三つ重なる今年に、(清水の舞台から飛び降りる覚悟で!)3名様をご招待と相成ったのでありました!
もっとも、うち1名は自分ですけどね(笑)

飯山のコンビニで確信した通り、上高地の空模様は上々です。
若干雲は多いものの、本当に抜けるような青空が頭上に広がっています。
空の色が、東京のそれとは根本的に違う気がします。

ところで、前回張っておいた伏線をここで回収しておきましょう。
まずは日程の話から。
そもそもツーリングが入っていたのですから、本来は僕は上高地に来ることはできませんでした。もちろんお天気次第というところはありましたが、それにかけてのダブルブッキングは危険すぎます。
それなのにこの日程で抑えたのは、実は上高地帝国ホテルが(おそらくゴールデンウィーク明けに向けて)1日3部屋限定で、普段よりもお安いプランを提供してくれていたから(その後、好評につき期間延長が発表されています)。
そしてたまたま僕の公休と重なるのがこの日程しかなかったのです。しかしいかんせん1日3部屋限定で、すでに1部屋は埋まっていましたから、誰が母を連れて行くか(僕か、あるいは母に友人と行ってもらうか、など)は後で考えることにして、とりあえず予約だけ入れておくことにしたのでした(どうしても誰も都合がつかないようなら、最悪ツーリングは断ることを考えていました)。

その後幸いなことに、妹の長期休暇期間がこの日程を含んでいたので、彼女に母を連れて上高地に行ってもらうことになり、一応の結論となったのでした。

ところが前々日の16日。
同じく宿泊勤務のツーリング企画者とネット上の天気予報サイトを見ながら、どうにもお天気が怪しすぎるので、どうしようかと話し合い、各自の公休の予定も今ならまだ立てられるだろうから、今中止の決断をしよう、ということとなったのでした。

それならせっかくです。
前日の17日に上高地帝国ホテルに連絡を取り、2名の予約を3名に変更してもらって僕も同行することになったのでした。

ツーリングがなくなってしまったのは残念でしたが、それでも上高地でこの青空を見ることができたのですから、結果的にはまったく問題無し!かな?(^-^)

ところで上高地は通年マイカー規制がされており、こちらを訪れるには麓(東京側から訪れる場合には「沢渡」)に車を止め、そこから公共の交通機関(バスもしくはタクシー)を使わなければなりません。
しかし、すべての人が公共の交通機関を自由に乗り継げるわけではありません。
実際のところ、僕の母は四肢の自由度が低く、ありていに言ってしまえば身体に障害を抱えており、こうした乗り継ぎや乗換えが、まったく不可能であるとまでは言いませんが、事実上不可能に近い状態。

ですが、現在は社会的弱者に対する各種配慮が比較的整備されており、実際に上高地のマイカー規制もしかるべき手続きを踏んで行政からの許可を得ることができれば、マイカーでの乗り入れが認められるのです。

ここでもう一つの伏線、松本ICを降りて途中一か所どうしても立ち寄らなければならなかった場所について、を回収します。

その場所とは、実は松本警察署。
上高地を訪れる前に上高地を管轄するこちらに問い合わせをし、しかるべき手続きを確認した上で許可申請をし(この辺は行政書士の試験で勉強したこととも関係するため、その手順や意味などがよく理解できた! 笑)、通行許可証を発行してもらったのです。
調べた限りでは、事前に郵送などでやり取りをしなければならないとあったのですが、僕が問い合わせた時には、障害者手帳を持っているなら、当日でもいいので手帳と認印を持参して窓口で申請をしてくれればその場で許可証を発行します、と説明を受けました。
そこでその申請をし、許可証を受け取る必要があったため、上高地を訪れる前にこちらに立ち寄らなければならなかったのでした。これが二つ目の伏線の回収になります。

実際、通行許可証を提示することで(あるいは見える場所に掲示することで)、国道158号線から県道24号線が分岐する交差点にいる係員から、県道24号線への進入を誘導してもらえるのです(なければ入れてもらえません)。

この手続きの結果、上高地帝国ホテルまでフリードハイブリッドで進むことができ、この場所にを駐車させてもらうことになったのでした(上高地帝国ホテルにも許可証を得て車で行くがどうすればいいかは事前に確認しておきました)。
当たり前ですが、一般的には車両の乗り入れが禁止されているため、いわゆる「駐車場」はなく、止めさせてもらった場所は、シャトルバスなどが頭を振ったり待機したりする場所の隅っこでした。
言われてみれば、県道24号線で上高地帝国ホテルに至るまでの道中、すれ違ったのは全て通行が許可された観光バスか、麓と上高地とを無数シャトルバスだけでしたね〜(観光バスは専用の駐車場がある)。

ちなみに県道24号線は・・・狭いっ!(笑)
うちのフリードハイブリッドでさえ観光バスとすれ違うのは結構困難でした。これで観光バス同士がすれ違うのですから、バスの運転手さんも気が抜けないでしょうね〜。

こんな具合に、鬱蒼とした林の真ん中をこの狭い道が一本通っているだけですからねぇ。
街灯もないし、夜間の走行は大変だ・・・と思ったら、県道24号線は夜間は完全通行止になってしまうのでした。
(だからチェックイン可能時間が18時までになっていたのでした)

さて、チェックインの手続きも無事に済ませ、お部屋に案内してもらったら、まだ夕食までは時間があります。せっかく来たのですから、辺りを散策することにしましょう!

上高地帝国ホテル。こちらは裏手(と呼んでいいのかな?)、つまりロビーとは反対側。青い空、緑の木々に赤い屋根が映えています。

しかし、よくよく見ると、こちら側のお部屋にはテラス(バルコニー)が設置されていました。なるほど、お高いプラン用のお部屋ということですね〜。
確かにこちら側のお部屋からは、梓川や穂高連峰が見渡せる(はずな)ので、ゆったりテラスでコーヒーをいただきながら大自然の中に身を委ねて揺蕩いながら時を過ごす・・・なんてリッチな体験ができそうですね!
・・・いずれはこちら側をっ!(笑)

さて、せっかく上高地に来ているのですから、ホテルの周りをくるっと回るだけではもったいありません。登って来る途中に大正池もありましたし、梓川を上流に向かえば河童橋もあります。
せっかくまだ時間もあることですし、ひとまず大正池を見に行くことにしましょう!

ところで上高地帝国ホテルから大正池まではおそらくゆうに1kmはあるでしょう。
健脚なら15分もしないで辿り着けるでしょうけれども、僕の母の足では一晩明けても辿り着けるとは思えません。
そこで。

上高地帝国ホテルで車椅子をお借りし、それに母を乗せて大正池まで連れて行くことにしました。

もし大正池を含め、上高地のスポットが全てこのような整えられた遊歩道で訪れることができたならばそちらを通って行ったのですが、残念ながらこうした遊歩道は一部にしか整備されておらず、途中砂利道になったり、獣道か!?と思うような道になってしまったりするため、ちょっと危険ですが先ほどの県道24号線を通って大正池まで下ることにしました。
途中、何度も大型観光バスと出会いましたが、ここを人が歩くことはおそらく通常はないのでしょう、運転手さんもちょっとびっくりしてました(笑)

散策用の遊歩道ではない道を進んでいますが、それでも道中、まるで鏡のような池を見たり、さえずり回る鳥の姿を探してみたりと、のんびりペースで大正池を目指します。

水がきれいだからなのか、周りの緑までもが済んだ緑色をしているように見えてしまいます。
車両規制されていることでこの清浄な雰囲気が保たれているのだとするならば、排気ガスをばらまいている旧型マシンのRVFを乗り回しているのが少し申し訳ないように思えてきます。
でも、今は(特に今年は)バイクが趣味の中心なので、RVFを降りるつもりはありませんが。

そうしてのんびりと高原の散策を楽しみながら進んでいくと、見えてきました、大正池!

実際のところ、県道24号線から大正池湖畔まで行くのも大変な道のりなのですが(もちろん母にとって、です)、それでもなんとか湖畔までたどり着きました。

視界を遮るものがないので、空が広い!
雲が大きい!!

残雪の山腹。
あの雪が溶けて梓川に流れ込み、それが大正池にも注いでいるのか〜。だからこんなにも水がきれいなのですね、きっと。

東京では汗ばむ陽気を通り越して、「もう夏なの!?」という温度になる日も現れていますが、上高地は全体がひんやりとしていて、新緑はこれからが本番!といった様子です。

山が遮る大気から雲が生まれるのがよくわかります。

日の光を反射してきらめく水面。ものすごく透明度の高い水です。手を入れてみたところ、案の定、ものすごく冷たい!
そのままコップに入れてぐいっと一杯やりたいところです(本当に飲めるのかどうかは知らないのですが・・・)。

雪の残るあたりは完全な岩肌に見えます。おそらく森林限界を超えているのでしょうね〜。
麓には濃い緑、中腹にはこれから芽吹く淡い緑、そしてその上には残雪。
ある意味、トリコロールですね(笑)

大正池の水面は、場所によってその表情を変えます。こちらはなんとエメラルドグリーンに輝いていました!綺麗!

水底の石の模様まではっきりと識別できるくらいに透明度の高い水です。日本一の清流の異名は、伊達ではありませんね!

あー、空が高いな〜。でもって、空の色も濃いな〜。
絶景って、こういうことを言うんだろうな〜。
なんて、改めて思ってみたり。

この雰囲気って、浄土ヶ浜に似てませんかね?
(あちらは海ですが)

両手で杖をつきながらなら、かろうじて(短距離ならば)歩くことができるので、母も水辺まで近寄ります。
ちなみにこういう具合に遊歩道がなくなってしまうため、車椅子で遊歩道を歩くのはちょっと厳しいのです。
このさい、車椅子の車輪をキャタピラーにしてくれれば(押すのはさらに大変になってしまいますが)どこでも連れて行ってあげられるのではないかと思ってみたり。

夕方近いので、観光客の数ももうそれほどいませんでした。先ほども言いましたが、18時以降は車両が完全に通行止にされてしまうため、乗ってきた観光バスなどもそれまでには麓に下りなければならないからでしょう。
のんびり散策しているのは、僕らと同じように、上高地のホテルに宿泊している人たちなんでしょうね、きっと。

大正池の水面もまたまるで鏡のようです。PLフィルターとか用意すれば、きっともっと美しく風景を切り取ることができるんでしょうねぇ。

まるで水がないかのように底が見えます。本当に透明度が高い!水が滞留しているところも多々あるのに、どこも澱みになっていないのが不思議です(かと言って、その水が飲める水というわけでもないですが)。

こんな感じでのんびり散策です。
もちろん、車椅子は交代で押してますよ!

行きと違って帰りはおおよその距離感がつかめているため、足取りも軽くなります(笑)
それに、こうして動き回れば当然にお腹を空かせることができますし、そうなれば夕食をより一層美味しく食べることができますし!
なお、夕食は上高地帝国ホテルに併設されているレストラン、アルペンローゼでコース料理をいただくことになっていますが、ドレスコードのないレストランでの食事とはいえ、やっぱりその前にシャワーを浴びてさっぱりしたいところ。

そんなことを考えつつも、帰りは時間を見ながらペースを調節して散策することができましたので、ちょうどいいくらいの時間帯でお部屋に戻ることができました。

こちらはお部屋から見える景色の一部。山肌に差し込む日の光はもうかなりオレンジ色に染まってきています。
こちら側は穂高連峰を臨むことはできませんが、それでも森林限界を突破した岩山がそびえ立つダイナミックな景色は堪能できますし、十分でしょう!

決して広いとはいえませんが(二人部屋に3人ですし)落ち着いた雰囲気の格調高いお部屋に備え付けの、寝湯ができる大きなユニットバスに身を沈めて、綺麗さっぱりになったところで、いよいよディナーに向かいます!
これ、温泉だったらきっと出られなかったに違いない・・・(^_^;;

あ〜、お腹すいた〜〜。

その3へ続くっ

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